※Effie Ⓡ Awards より引用 (www.effie.org)
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“STOP TALKING, START DOING.(行動に全てを語らせよう)”
古いブランド・イメージを払拭して、新しいイメージを構築するのではなく、二つあわせ持つIBM本来の強みとユニークさを訴求した。
戦略的アプローチ
2002 年に、PWC(Price Waterhouse Coopers) コンサルティング・グループを、IBMは傘下に収めた。
それ以来、ソルーション・カンパニーとしての強みをアピールし続けたが、人々にこのイメージは届いていなかった。
「世界をリードするコンピュータ会社」では、いまの世界のニーズにフィットしない会社になってしまうという危惧からこのキャンペーンへの取り組みが始まった。
IBMは、ベストなコンピュータ技術の専門家と、卓越したビジネス知見を持ったコンサルタントを、顧客に派遣できる世界でもユニークで唯一の会社であることを訴求する必要性を感じた。
例えば、あなたの企業が、世界展開する企業グループを買収した場合、その日から、統合化の様々の問題に直面することになる。バンキングからデータ集積、あらゆるソフトウエアの統合までを一体だれが行うのか。
IBMの存在価値がここにある。
世界中に「テクノロジーとビジネスが結婚」したフルサイズのIBMを伝える。
目的
ITとビジネスの専門家であるIBMのコア・コンピタンシ―を伝え、認知度10%と、売上10%アップを目指す。
ビッグ・アイデア
議論は、もうたくさんだ。IBMは行動する。
2005年、IBMが、企業に対し提唱した「企業の長期的な成長をもたらす偉大さと差別化は、 “イノベーション”にある。コスト削減には、近視眼的な限界がある」という指針が、大きなインパクトを生み、多くの企業がR&Dで新製品開発で“イノベーション”を志向するトレンドをつくった。(巻頭で前述したように、2009年の米国企業の“イノベーション”宣言に、IBMの影響が見られます)。
一方、「“イノベーション”戦略は、いまどき“インサイト”や“ストラティジ―”を叫ぶように陳腐な概念である」と、BusinessWeekが痛烈に批判したが、多くの企業にとって苦境を脱するには“イノベーション”のようなマジックワードが必要だった。しかし、現実は、“イノベーション”が次々誕生するわけでもなく、掛け声倒れに終わっていた。
IBMは、理想だけが独り歩きしているところに問題があると考えました。
コンサルタント会社のマッケンジーやアクセンチュア等は、戦略を提示するのみで、実行案の提示がなかった。
一方、IBMは、戦略提示からそれを実行に移す方法も実践できるフル・ソルーション・カンパニーとして機能できる優位点を訴求することが、IBMのブランド・エクイティだと判断しました。
“みんな議論しているけど、誰もなにもしていない”。この実態に対して、IBMの“有言実行”という考えは、世界のビジネスマンの共感を得ることになりました。
実施
話すのを止めて、行動を起こそう。
世界中とりわけ、アメリカ、ドイツ、中国のビジネスマンが“会議疲れ”している部屋の窓を大きく開き、フレッシュな空気をIBMの”Stop Talking. Start Doing.”が送り込みました。
テレビCMでは、セミナー会場で“流行語ビンゴ・カード”を配り、空虚な流行語を連発して講演を済ませるセミナーの無意味さを批判し、IBMで“行動を起こそう”をアピールした:
http://www.youtube.com/watch?v=cgeLY7CL5IE&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=wdtlZIjdUJk&feature=related
CMの“流行語ビンゴ・カード”を主要なビジネス誌の広告に掲載し、その頁をちぎって会議室に持ち込こむようにしたり、英国では“ヒュースロー空港の双方向検索ボード”のIBMの実績を紹介する雑誌広告とか、中国では、地域エネルギー工場のシステム構築の実績を歌い、“行動を起こす”IBMを多面的に訴求した。
企業のデシション・メーカーにあらゆるタッチポイントでアクセスした。特に、ビジネストリップの多い管理職に向けて空港や航空各社の刊行物や、アメリカンフットボールのプレイオフにCMを入れて、ターゲットの関心を喚起した。
結果
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QP eyes
良いイメージは、一瞬にして壊れるものですが、間違って定着したイメージを壊して、新たにイメージをつくるには、長い時間と労力を必要とします。
しかし、幸いにして、IBMは、みんなが味を知っているバニラアイスクリームに、新味のトッピングをふりかけるだけで済んだようです。みんなが知っている既存の“コンピュータ・テクノロジー”のハードイメージに、“ビジネス・エキスパート”のソフトイメージを付加しました。
「コンピュータをつくっているから、それを効果的に動かすシステムづくりにも、一日の長があります」というレトリックにはもっともだと感じさせる力がありました。
“Stop Talking, Start Doing.”キャンペーンは、効果的であったことは、疑いの余地はありません。一方、“価値あるブランド・ランキング”で、マイクロソフトを退けてIBMが2位になれたのは、導入したWindows 7の評判が芳しくなかったことも影響していたと思われます(08年に施行されたキャンペーンが、エフィー賞09年度の入賞作品になっています)。